チェンバロとのデュオコンサート
今年も9月に、上野毛のキュルチュール・インターナショナルクラブにおじゃまし、チェンバロとのデュオコンサートをしました。いつもご一緒していただいている平山亜古さんと、今回は、ハイツという管楽器製作家が作ったオリジナルリコーダーを元に、日本のリコーダー製作家・斉藤文誉さんが作ったアルト・リコーダーでアンサンブルをしました。
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2016年9月22日(木・祝)ドイツに開くフランス文化の華
~管楽器製作家・ハイツ Johann Heitz(1672-1737)の試み~
森吉京子/リコーダー 平山亜古/チェンバロ
1702年から1737年まで、ベルリンで工房を構えた管楽器製作家・ハイツの残したオリジナル・リコーダーに基づき、現代に蘇ったアルト・リコーダーの響きを味わって頂く演奏会です。
フランスで好まれたリコーダー特有の構造を独自に改変し、A.ヴィヴァルディ(1678-1741)を生んだイタリアに作品の多くが残る管楽器製作家・クリストフ及びヤコブ・デンナー親子C.Denner(1655-1707)、J.Denner(1681-1735)に代表されるように、同時代のドイツでは、ヨーロッパの音楽界を席巻するイタリア音楽を奏でるにふさわしい音色を持つリコーダーが好まれていました。そんな中、フランス文化の影響を受けたベルリンに工房を持ち、あくまでフランス音楽特有の響きを管楽器に求め、それをリコーダー製作において追求したと思われるのが、ヨハン・ハイツでした。
フランス音楽の影響を受けたドイツの鍵盤音楽と共に、ハイツの楽器が奏でたであろうリコーダーの音楽をチェンバロとのデュオでお楽しみ頂きます。
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私が斉藤さんに製作を依頼したハイツのリコーダーは、ピッチ(音程)がいわゆる「バロックピッチ」と呼ばれるa'=415Hzよりもさらに低めの、およそa'=410Hz。6・7番のダブルホールを、オリジナル通りのシングルホールに仕立てたオリジナル・フィンガリングに近い指づかいに設計されています。
美しべっ甲装飾のハイツのオリジナルリコーダーが現存しています。希少な天然物を装飾として用いた楽器を所有することは、当時(バロック時代)の貴族たちの音楽趣味の一つのステータスであり、また、こうした楽器は貴族たちの間では贈呈品として重宝されたのでしょう。
さて・・楽器の真価はその音色で問われるべきでありますので、楽器の特徴はこの辺にしまして・・・
そろそろシングルホールで設計されるオリジナルフィンガリングに近い指使いを習得しておかないと、年を重ねすぎてはさらに困難になるかな・・という密かなる消極的な動機もその他の理由に含めてこの楽器の製作を斉藤さんに依頼したワタクシです。確かに、指使いの困難さからくるちょっとした高さの「壁」は乗り越える価値あり。難しいからこそ燃えます。それはともかく、わずかに音程がバロックピッチよりも低いだけで、こんなにもふくよかな音色、ビロードのような低音とつややかな高音・・最近、ヨーロッパのバロック音楽研究者たちの間で注目されている「ドレスデン宮殿での音楽演奏シーン」では、ハイツのリコーダーこそ人気が高かったのでは、と言われているようです。
ハイツで演奏するにふさわしいリコーダー独奏曲のレパートリーについては、さらなる探求の余地が残されています。2017年には、ハイツで演奏される作品をもっと探してみようかと思っています。
おまけ・・・秋の空が広がるころ、ホームベーカリーを導入 おいしいパンが毎日食べられます。毎朝、香ばしいパンの香りで目覚めるのってステキ(ぶっ!)正確には・・家族3人で一食一斤はちょいとぜいたくなので、先月から2日1回、焼き立てパンの香りで目覚めております。何せパンが好きなので、1週間に何度もあちこちパン屋をうろついていましたが、今ではすっかりパン屋から遠のいてしまいました。だって、材料のすべてをちゃーんと把握しながら、こんなにおいしいパンが食べられるのですよぉ 感激です。み~なさんにお勧めします
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