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いい音!プロジェクト

2010年もあとわずか、そろそろ、来年6月のMoriのリコーダー音楽会vol.5の内容をいろいろと考えています。

毎年、選曲はもちろん悩むところですが、昨年も実感しましたが・・1曲を満足な仕上がりにするためにかかる時間をどのグループのみなさんも予測がつくようになってきて、譜読み段階での集中力がついてきたように思います  経験はたいせつですね。

さて、いつかこのMoriのリコーダー音楽会で実現させたいと思っていたのですが、今年は、グループの枠を超えて、ひとつ、新たなグループを、Moriのリコーダー音楽会で演奏するために練習を重ねるグループを結成したいと考えていました。そこで・・・来年は、《いい音!プロジェクト》と題しまして、普段のグループでは譜読みや難しい箇所の集中練習、つまり、音を“ともかく”出す、ことと指を“ともかく”動かすことに終始してしまうところから生じる問題点を解決すべく、リコーダーの“音色づくり”について考える小さなプロジェクトを立ち上げることにいたしました。

リコーダーのいろいろな音色とは・・と考えていて、留学時代に入手したマイケル・フェッターM.Vetterという人の著書のタイトル『笛の甘い音、苦い音 Il flauto dolce ed acerbo』を思い出しました。初版は1969年(!)で、副題には、“リコーダーの新しい音楽を演奏する人のための手引きと練習”とあります。冒頭にはリコーダーの現代奏法に用いられる響きを生み出すための特殊な運指がずらりと並び、10のチャプターに分類された膨大な数の運指にまず圧倒されます。何せ、著書の約半数のページを占めていますから  その後に続く現代リコーダー奏法の特殊な響きを生じさせるための数々の記号の説明はともかく、アーティキュレーションや息づかい、ヴィヴラートの仕方やダイナミクスの方法などは、時代やスタイルの違いを超えて、まさに普遍的なメソッドともいえます。タイトルの“甘い音、苦い音”とは、さまざまな息づかいや指づかい、そしてタンギングなどのテクニックを駆使してのリコーダーのいろいろな音色、を指しているのでしょうか。時にやわらかく、時に緊張感のある強くかたいリコーダーの音色・・・目の前で落ちて終わってしまう音もあるし、1軒先の屋根を越えて飛んでいく音もあります。音は自由自在なのです、だからこそ、コントロールが必要です。

久しぶりに開いて・・・いい本だと改めて思いました。1950年代の終わりから70年代にかけて、リコーダーの奏法について書かれた本の中には、今でも変わらず役立つものがたくさん残されています。

Moriのリコーダー音楽会での演奏を目標に、来年1月から始める《いい音!プロジェクト》では、リコーダーの音色づくりの基本に戻り、安定した息づかいを得るには・・というところから考えていきたいと思っています。

自然風がウィンドウェイに入っても音が出てしまうリコーダー、だからこそ、音楽的な旋律線を生み出す一音一音にするには、息のコントロールが必要なのです。そして、実は、息のコントロールの技術は「音が出た!」というところから一歩踏み出さなければ、少しだけ辛抱強く経験を重ねなければなかなか得られないことも・・・事実なのです。2本、3本とリコーダーを重ねてアンサンブルをすることは楽しいです、でも“息のコントロール”がなおざりにされてしまって、作曲家が意図した複雑な和音の進行中に生じる緊張と弛緩の関係が忘れられているのを耳にすると、残念だなぁ・・・と思います。

Moriのリコーダー音楽会にご参加くださる私の生徒さん中心に、改めて考えるリコーダーの“音づくり”にたいへん興味を持ってくださって、この小さなプロジェクトは、来年1月から千葉で行なうことになりました。地味な練習の積み重ねを行う時間になりますが、ぜひとも美しいリコーダーの音づくりを実感していただいて、日頃楽しむそれぞれのグループに戻ったときに、大いに役立てていただければ・・・と思います。

来年1月から、《いい音!プロジェクト》始まります 

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