楽器のお手入れ

楽器が増えてきたら・・

長くレッスンを通じてたくさんの生徒さんと交流する中で、楽器の状態も見守り続けることのたいせつさを実感しています。多くのリコーダーは木製、そこに、湿度の高い息を吹き込むわけですから、当然、“なにか”が起こってきます。これまでも、「楽器は買ったらおしまい、ではないんです。」と繰り返しお伝えしてきました。残念ながら、楽器のメーカー側ですら、そのことを認識していない場合が多いのです。

そこでまずはセルフ・メンテナンス。「音がおかしい、直してもらおう。」では、どうやら楽器は良い子に育ってくれないようだ、というのが今の日本でのあまりにも残念な現状です bearing weep 自分で自分の楽器を育てるという気持ちで楽器に愛情を注いでください、それでもどうにもこうにも道を誤ってしまった bearing というときに、メーカー、あるいは製作者に問い合わせる・・それが現状での最良の方法であるようです。

セルフ・メンテナンスが実感として必要になってくるのは、木製の楽器を1本、2本、・・と増やしていくときでしょうか。

はじめて木製のリコーダーを入手するのは、アルト・リコーダーの運指にもひと通り慣れてきて、いつも吹いているプラスチック製のリコーダーの音色とおとなりの人が吹いている木製のリコーダーと、どうやら音色が違うようだわ・・と、耳で音色の違いを判断できるようになったころ、という方が多いです。アンサンブルをしていると、アルト・リコーダーだけでなく、高音が華やかなソプラノ・リコーダー、しっとりと落ち着いた音色のテナー・リコーダー、そしてアンサンブルのたいせつな和音を支えるバス・リコーダーのあったかい響き・・・どれもがリコーダーの音色であることを知って、どうしても、「次は他の大きさの楽器を」という気持ちになります。リコーダーは、2種類の運指を覚えてしまえさえすれば、ソプラノからバス・リコーダーまで吹けるのですから!

さて、複数の楽器を所有しながら、発表会などの特殊な機会のためにアンサンブルのひとつのパートを任されることになると、どうしてもそのパートの楽器を集中的に吹くことになり、その他の楽器は数ヶ月ものあいだご主人様に省みられなくなることもあります・・

木は生きています。吹きすぎも、吹かなすぎ(笑 happy02)もよくありません。しばらく集中的に吹いてきた楽器の音が「ちょっと今までと違うな」と思ったら、ぜひ、①エッジとその先端からみえる範囲のブロックの状態を確認、②ウィンドウェイを確認、してみてください。エッジの先端から見えるブロックがたっぷりと湿り気を含み、さらにそれが頭部管内部に水滴となって落ちているようでしたら、その楽器の練習は少しお休み、あるいはその日のその楽器での練習はおしまい。練習量は時間では測れません。なぜなら、気候は日々異なるので、湿り気に影響を受けず長く練習できる日も、すぐに湿ってしまう日もあるのです。練習を、楽器のために止めなくてはならない目安はもうひとつ、頭部管の底からブロックの底面を確認し、湿気の黒い輪がぐるっと1周していたら限界です。吹き始めてから“限界”に達するまでの時間がどんどん短くなるようでしたら、そのときの気候も考慮しながら、楽器をしばらく乾燥させるといいと思います。

また、ウィンドウェイに何か異物が入っているようでしたら、まずは頭部管の底を手のひらでおさえ、次にラビウムをしっかり口で塞ぎながらスピードのある息で「フッ」と吹き込み、ウィンドウェイから水滴を飛ばします。(吹き口から水滴とともにゴミも出ます)それでも異物が残るようでしたら、細長く切った紙を2~3回、ゆっくりとウィンドウェイに抜き差しすると応急処置になります。吹き口を見ると、きれいな長方形ですが、その角のラインがゆるやかになることはよくあります。つまり、4つの角に、よごれや異物がたまってしまうのです。これも、音色と吹き心地に大きく影響します。上記の紙を入れる方法で、まずは角をすっきりさせてみてください。

練習の前も後も、特に頭部管、ブロック周辺、ウィンドウェイなど、目に見える範囲で各所を確認する習慣を持つといいと思います。それによって、最終的にはどんな状態のときに自分の出したい音色を望めるかがわかってくるのです。

万が一、2~3ヶ月も楽器を吹かなかった場合は、まず、中部管の内径の縮みは避けられませんので音程の狂いが生じてきます。また、乾燥した状態のウィンドウェイが湿気ることによって急激にブロックが膨張し、本体に(しかも致命的なマウスピースに!)ひびが入ってしまうことがあります。3ヶ月以上楽器を放ってしまった場合、最初にオイリングをすること、そして、木製の楽器を購入した際に必ず行う“吹き慣らし”をするといいと思います。それによって、ブロックの急激な膨張は防げますし、音程もある程度は回復します。

湿度と温度を保ちさえすれば、コレクションケースに入れておけば良いか・・・これも、×bearing だと思います。音を発してこそ生きる楽器、長く時間が取れないときでも手に取り、ひとつの音階を吹くだけでも充分です、どうか、1ヶ月以上も放ってしまわないでくださいね・・crying

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